6月19日、半年間頑張ってきた結果を出す時がやって来ました。
午前4時起床。睡眠の質も量もバッチリでした。
ホテルが準備してくれた弁当を食べ、プレスイムバッグ、バイクバッグ、補給食の準備をして午前5時位に出発。
約25分でスタート地点の富江港に到着。車があると本当に便利です。
降水確率は前夜に70%と発表されており、雨のレースの準備をしていました。
しかし、実際は1日を通して曇りでした。
最高気温27.9℃、最低気温22.6℃、水温は21℃台、風は西南西3m/sとコンディションに恵まれました。
前日、ヘルメットを忘れてヘルメットチェックができなかったのですが当日にやっていただきました。
バイクバッグを預け、バイクにボトルをセット、空気圧やギアなどに異常がないかをチェック。
時間に余裕があったのでトイレに何度か行ったり、蒸しパンを食べたりしながらスタート時間を待ちます。
スイム前に摂取したものは、ホテルの弁当、黒糖蒸しパン2個、VESPA、ジェル一個。あとスポーツドリンクをこまめに飲みました。
食べ過ぎはトラブルの原因になるので、腹八分目程度まで少しずつ時間をかけて摂りました。大体800〜900kcal位だと思います。
午前6時半からスイムチェックインとウォームアップが始まりました。
私はウェットスーツを着ると圧迫感で心拍数が上がりやすいので、それには参加しませんでした。
午前6時50分過ぎてから入水して陸から少し離れたスタート地点に向かいます。
その間にウェットスーツの中に水を入れたり泳いだりして軽くウォームアップしました。
実戦形式の練習を何度もやってきたのでほとんど緊張はしませんでした。
スイム
1周目
午前7時、いよいよスタート。
いつも通り一番後ろの外側からスタートしました。
しかし、人が多い。多くてなかなか前に進めません。
コース外側にも人が多く仕方なく集団の中を泳ぐことにしました。
少し泳ぐと前の人に追いつき、スピードを落とすと後ろから人がどんどんやって来ます。ヘッドアップして左右を確認し空いてる所を探しますが見つかりません。まさに八方塞がり・・・
ヘッドアップも多くなり、ヘッドアップを最低限にする作戦も遂行できなくなりました。
経験者のブログによると沖の折り返し地点(約1100m)からバラけてくるとのことだったので、それまでは諦めてゆっくりバトルを避けながら泳ぐことにしました。
しかし、折り返し過ぎてからもなかなかバラけません。
五島のスイムコースは変則的で沖の折り返し地点からコースの外側が左から右に変わります。
私は折り返してからコースの内側に位置することとなってしまいました。
そこも非常に混雑していてまさに芋洗い状態。パンチをくらったりして、ちょっとイラつきながら少しでもスペースを見つけながら進みました。
後で確認したら1周目の心拍は155bpm位で経過していました。
1.9kmの周回コースを終えて一旦陸に上がります。
その時点で38分27秒。
思ったより早いが何だかおかしい。
あれほど止まったり、横に移動したのに。
42-43分を目標にしていましたが、流れに乗ったりスタート地点の関係で距離が短かったのかも知れません。
2周目
この泳ぎにくいスイムを早く終わらせたかったので、給水もせずそのまま2周目に突入。
最初はやや混雑していましたが1周目よりは人がバラけていて泳ぎやすくなりました。
今度は行も帰りも外側を陣取って最低限のヘッドアップ作戦でゆっくり泳ぐことができました。
2周目はだいたい心拍数140bpm台でできています。
これくらいが気持ちよく泳げます。
結果、1時間21分40秒。
2周目はペースが落ちましたが、目標1時間26-28分だったのでタイムはOK。
いつもはスイム直後に怠さを感じるのですが、興奮しているのかあまり感じませんでした。
第1トランジション
スイムアップ後、シャワーがあるのですが人が多かったので浴びずに横をスルー。
バイクバッグを取ってテントに入り着替えます。
今回はそれぞれの競技が長く完走が第一目標でもあるため、それぞれの競技専用のウェアにすべて着替えることにしました。
そのため、トランジションに時間がかかり12分14秒もかかってしまいました。
これでも急いだつもりです。
バイクでは、アームカバー、エアロスーツに着替え、バイク用のソックスとグローブ、ヘルメットとサングラスを装着しバイクシューズを履きます。
エアロスーツのポケットにはジェル6本と塩タブ6個を入れました。
脱いだウェットスーツ、ゴーグル、キャップはバイクバッグに入れます。
その間にスペシャルドリンク(デキストリン、ここでジョミ、マグオン、アミノ酸、クエン酸を水で溶かし500ml程度にしたもの)+VESPA Pro、メダリストエナジージェル。約500kcalを数回に分けて飲みました。
テントを出てバイクバッグをボランティアに預けトイレを済ませ、所定の位置に置いてあるバイクをピックアップ。
途中で、ブログを参考にさせてもらったチームの一人が補給食を落としたので拾って、走って追いつき届けてあげました。
ちょっといいことをしたので気持ちよくバイクスタートすることができました。
バイク
最初は、富江地区を一周するほぼ平坦なコース。
心拍数160bpm前後だったので、落ち着かせるため流す感じで走りました。
しかし、そんなに頑張ってないのになかなか心拍数が落ちません。
結局、高い心拍数は40~50分経ってやっと落ち着いてきました。
スイムの影響だったのかもしれません。
富江を後にして海岸沿いの道を北上し徐々に登り基調となります。
左折すると通称ジェットコースター道路に入ります。
ここは直線ですが、急な下りと登りが連続するコースです。
下りでスピードを出してその勢いでできるだけ登ることを繰り返します。
それが終わると左折して、55km周回コースの起点である二本楠交差点に向かいます。
そこまでの道も山岳コースで登り基調。
ただ、急勾配や長すぎる坂はありません。
二本楠交差点を左折しさらに登りが続きます。
そしてトンネルを抜ける辺りからダウンヒルが始まります。
ここでスピードを上げてタイムを稼ぎます。
雨だと危ないのですが、幸い路面が濡れるような天候にならなかったので本当に良かったです。
下りが終わると島の西側の海が見えて左折、海岸沿いの平坦コースとなります。
玉野浦地区大宝のUターンポイントで折り返し北上。
海岸沿いの平坦区間が終わるとアップダウンと急カーブが連続するようになります。
この辺は、佐渡ロングライド210の前半のコースに似ています。
下りの急カーブがあり注意が必要です。
ネットの情報通り激突しそうなところには、畳が立てられています。
ここまで平均速度30km/h以上をキープできていて順調でしたが、徐々にお腹の調子が悪くなってきました。
止まりたくないな・・・自然に良くなってくれないかな・・・と思いながら走っていましたが、65km辺りで限界を感じたため10m程通り過ぎてしまったトイレに引き返して直行。
コースからトイレまでの距離があり、服も脱ぎにくかったかっため余計に時間がかかり4-5分ロスしたかもしれません。
しかし、幸いその後はバイク終了までトイレに行かずに済みました。
海沿いのコースを東へ進み岐宿地区辺りから再び登り基調となり周回コースの起点である二本楠交差点に戻ります。
五島のコースは確かにアップダウンが激しく、時には8~10%の劇坂もあり厳しいコースです。
しかし、登りが長すぎないのが救いです。
周回コースの2周目を終えると残り35km位。
来た道を戻ります。
ここまで来るともう少しですが、ネットの情報通り結構坂があります。
疲れも貯まってきているので登りはあまり頑張らず淡々とこなし、下りは飛ばしました。
ジョットコースター道路を過ぎて、海から五島市中央公園に向かう往復コースに入ります。
ここに入ってすぐに最後のきつめの坂が待っています。
ここをクリアーすると、その後はきつい登りはありませんでした。
最後の15kmは下り基調で風の影響もなくタイムを稼ぐことができました。
バイクの純粋なタイムは6時間10分55秒、平均速度28.5km/h、平均移動速度28.8km/h。
アップダウンのあるコースに慣れてなかった割にはいいかと思います。
但し、平均心拍数は156bpmとちょっと頑張り過ぎました。苦しさより楽しさが勝っていたので仕方ありません。
目標にしていたスイム+バイクを8時間以内を達成。
バイク中の補給ですが、2本のボトルにアミノバリュー1包とエネルゲン1包装、マグオンエナジージェル1個、パワージェル1個、ここでジョミ1個、クエン酸、アミノ酸を水に溶かし分けて入れました。合計で1500ml、800kcal弱。
これを2時間半位で消費して後はエードステーションでスポーツドリンクを5-6本もらいました。
バックポケットにザバスピットイン2個、グリコワンセコンドCCD2個、メイタンサイクルチャージ2個と塩タブ6個を入れてバイク開始2時間半から45~60分おきに摂取しました。
バイク中は補給が面倒に感じてしまいます。そのためメイタンサイクルチャージ2個は余ってしましました。
ジェルのキャップは開けやすいようにスタート前に緩めておきました。
塩タブは食べやすいようにキャンディの包装紙に包んでおきました。湿気も防げます。
バイクでの摂取カロリーは、体調をみながら2000〜2500kcalを目標にし調節ました。
空腹感や下肢の筋の痙攣は最後までなかったので成功したと思います。
第2トランジション
バイクをボランティアに預け、ランバッグを取って更衣テントに入ります。
第1より人が少なく椅子に座って着替えることができました。
すべてを脱いでラン用のウェアに着替えます。
マメができにくいとされる5本指ソックスに履き替えたのですが、これが履きにくくててこずりました。
膝を保護するためサポート機能のあるスパッツをはいて、上には腕を振りやすいように設計されたとされるランニング用ウェアに着替えました。
バイクで食べ残したメイタンサイクルチャージ2個とメダリストも1個摂取してテントを出ました。
ここでも11分程時間がかかってしまいました。
ラン
スタートしてすぐにトイレに行き、ゆっくり走り始めます。
練習では1kmを6分ペースで走れたのですが、なかなかペースが上がりません。
アップダウンの激しいバイクコースで足の筋肉へのダメージがきたのでしょう。
1km位ですでに大腿四頭筋が少し攣りはじめました。
脚は棒のようでなかなかペースは上がらず1km7分台。
エードステーションには寄ってスポーツドリンクとかんころもち、まるぼうろ、クッキー、バナナ、黒砂糖のお菓子などを少しずつでも食べ続けるようにしました。
3km位から歩きたくなったのですが、周りに歩いている人がいなく、沿道で一生懸命応援してくれている地元の人達がいるために歩き辛かったです。
10km過ぎに折り返し地点があり、ランはここを折り返して戻るコースを2往復します。
この10km辺りから足の裏が痛くなり、レース終了後には血マメになっていました。
走る練習をしてないと、筋力が付かないだけでなく足の裏の皮も弱いままですね。
いろんな痛みに耐えながら走り続け、ペースの方もだんだん落ちていき1km8分台になってきました。
歩くよりは少し早いペースです。
不思議と足の裏のマメの痛みは、歩くより走った方が軽減されます。
そのため、給水所と登り坂の一部以外では走りました。
走るというか、歩かない程度の走りって感じです。
あと何キロとか考えると辛いので他の事を考えながらひたすら進みました。
曇りですが、風がなく蒸し暑かったです。
アームカバーは途中で外しました。
1往復したら周回チェックのリストバンドを付けられます。
脚が上がらない、足の裏が痛い、なかなか進まない。
生き地獄のような状況が続きます。
しかし、ゆっくりですが確実にゴールは近づきます。
最後の折り返しを過ぎてやっと気持ちが明るくなってきました。
徐々に辺りは暗くなり、臨時で設置された街灯に明かりが灯ります。
日が沈んで気温は少し下がってきた感じです。
暗くなると先が見えないので、登っているのか下っているのか何だかよく分からなくなってきました。
ランに入り、かなりの選手に追い越されました。
しかし、それについていく体力も闘争心もありませんでした。
走る練習してなかったから仕方ないと諦めつつ、今できることをやるしかないと思いながら走り続けました。
正直、フルマラソンは練習しなくても5時間以内で走れると思っていましたが甘かったです。
しかし、膝が最後まで壊れなかったのでそれだけは本当に良かったです。
市街地が近づきやっと手を挙げて声援に応える余裕が出てきました。
それまでは頭を少し下げる程度でしか答えられませんでした。
五島の人達の温かい声援は有り難かったです。
この大会に出た人は、みんな五島が好きになるのではないでしょうか。
ゴールの福江港が近づき、ゴール写真で他の選手とかぶらないようペースを調節しながらゴールしました。
半年間の努力が実って、目標達成。
周りに迷惑をかけたり、協力してもらったりしました。
感謝です。
結果
参加者681人中、完走者572人、DNF(Do Not Finish)107人、Skip2人。完走率84%。
個人成績:13時間37分01秒。総合322位。
スイム1時間21分40秒。435位。スイム完走者679人。
バイク6時間35分11秒(第1・第2トランジション込)。170位。バイク完走者659人。
スプリット7時間56分51秒。211位。スイム+バイク完走者657人。
ラン5時間40分10秒。465位。ラン完走者573人。